mir821’s diary~露語&ランニング〜

25年ぶりにロシア語を再勉強中。たまにモンゴル語&ランニング。

ロシアでも「熊出没」がニュースに。

日本では全国各地で「熊出没」の件数が増え、ニュースで流されない日はないほどだが、どこにでも当たり前に熊がいそうなロシアでも「熊出没」がニュースになっている。

ロシア最東端の街アナディル。

地元の放送局「ヴェスチ・チュコト」がヒグマの出没を伝え、住民に注意するよう呼び掛けている。

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アナディルのウーゴリヌイ・コピ地区。

最初の動画は、地元の図書館の外部カメラが撮影したもの。

薄く雪の積もった敷地をゆっくりとヒグマが歩いている。

その後の動画はドライバーが車内から撮影したもの。車に追い立てられ、ガソリンスタンドのほうに逃げていくヒグマ。

どちらも同じ個体らしい。

 

これに関連して、人間を襲ったとの情報もとくに伝えていないから、人的・物的被害はなかったんだろうね。

ローカル局がニュースで扱うぐらいなんだから、ヒグマが人間の居住地に出没するのは、ロシアでもめずらしいことなんだろうか?

 

この原因について、放送の中では、次のような見方を伝えていた。

「Есть предположение,что из-за оттепели бурые медведи не смогут уйти в спячку,хотя зимний сон в берлоге приходится как раз на период с октября по апреля.  Установившаяся достаточно теплая погода пока мешает мишкам заречь до весны」 

(訳)

「巣穴での冬眠はちょうど10月から4月の期間になるわけですが、暖かい天気のため、ヒグマが冬眠に入ることができないと推測されています」

 

温暖化の影響で食料が不足しているのか、それともほかの原因があるのかは具体的には触れておらず、熊を見かけた場合には近寄らず、警察にすぐに通報するよう呼び掛けてニュースは終わっている。

 

ほんの数分間の短い街ネタニュース。

熊についた形容詞は「бурый 」。「赤茶色」とか「褐色」とかの意味。

これが付くと「ヒグマ」となる。

「белый медведь」で「シロクマ」「ホッキョクグマ」、「бурый медведь」で「ヒグマ」。

ツキノワグマは「белогрудый(гималайский) медведь 」、ジャイアントパンダは「бамбуковый медведь」だ。

 

あともうひとつ気になった単語は、「оттепель 」。

フルシチョフ時代の「雪解け」の用語だから、てっきり初春だけに使われるのかと思っていた。

初春だけでなく、雪が解けるような冬の暖かい天気のときにも使っていいみたいだから、「小春日和」の訳語になるときもあるかもね。

マハチカラと検定試験

プーチンたちが西側の陰謀・扇動論を主張している、マハチカラ空港で起きた反ユダヤ暴動。

ネットサーフィンしていると、地元のダゲスタンの国営放送局も詳しく報道していて、けっこう現地の反応がよくわかるが、政治情勢はさておいて、あるひとつの動画がとりわけ自分の関心をひいた。

病院の副院長がインタビューに答えている。

動画の見出しは、「Пострадавших в ходе беспорядов в аэропорту начали выписывать из медучреждений 」(空港での混乱の負傷者は、医療施設から退院し始めた)。

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この見出しの「выписывать 」をみたとき、正直、ほっとした。

ちょうどこの日に受検したロシア語能力検定の文法の問題で、あれこれ迷った単語だったからだ。

ロシア語能力検定受検者ならわかる、単純動詞に接頭辞をつけて()に適切な表現をいれさせるあの手の問題。

そのなかで迷った問題があった。

それがこれ(正確な文章は覚えていないけど、、、)→

1. Он находится в больнице уже десять дней,скоро его (    ) .

2. В этом эссе чего-то не хватает, надо его (    ).

 

1は文脈的に「退院」、2は「書き直す」、なのかなって考えた。

すると、1は「выпишут」、2は「переписать」だなって回答したが、それだと「писать」を2回使うことになるから、どちらかは誤りとなる。

それと、「退院」は「выписываться/выписаться 」と再帰動詞としかイメージしていなかったので、対格補語でもいいのかな~って疑問もわいた。

で、色々考えた末、1は「выпишут」にして、2はさんざん悩んで「отработать」にした。

 

帰宅して、プログレッシブ露和辞典を調べると、「выписывать/выписать」には「退院」との訳語はなく、「выписываться/выписаться」にはあったので、やっぱり自分の回答は間違いだったんだなって思った。⑤で「(リストから)除名する」ってのはあるけど、「退院」とは違う。

で、その後、このマハチカラの病院のニュースの見出しをみたので、やれやれ正答だったかもなって安心した次第です。

ただ、2のほうは、「отработать」より、「переработать」だったかもね。

(追記:試験結果(1級合格)と解説が届いた。2は「от」「пере」でもなく、「доработать」だった)

専門家も大変だよね、、、。

ドイツの放送局「ビルド」のロシア語放送のユーチューブチャンネル。

静かで知性的な語り口のナタリア・ズバレービッチ教授のインタビュー。

画像の見出しは「2023年夏をロシアはどんな風に生きているか」。

出生率低下、ルーブルの為替、予算とかについて語っている。

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ときどきズバレービッチ教授のインタビューをみているが、なんだか今回の動画のコメントには、批判的なものが多かった。

とくに、「賃金は上がっている」との教授の認識には、たくさんの疑問符が付けられていた。

専門家の認識と市井の人々の現実の差。

戦争で潤っている連中も確かにいる一方、貧困層はさらに増えている、ってところだろうか?

もう一つがロシアが占領した地域の呼び方。

教授は「新しい領土」と言ったが、コメント欄には「(ロシアが)占領した領土」だとの表現を使うべきとの批判が目立った。

 

この先生、分かりやすくて、静かに知的に話すから、すごく勉強にはなるんだけど、あまり予測はあたらないんだよな~、なんて思っていたら、自分の考えにぴったりのコメントをみつけた。

Зубаревич стала аккуратно высказываться после неудачных прогнозов краха экономики год назад. Экономика справляется лучше прогнозов. Санкции не работают так как все ожидали!

 

(訳)ズバレービッチは、一年前の経済崩壊の予想の失敗の後、慎重に発言するようになった。経済は予想よりも良く対応している。制裁はみなが期待したほど機能していない。

 

2022年春のロシアのウクライナ侵攻直後、西側の経済制裁強化でロシア経済はその年の夏、秋には崩壊する、なんて予測を教授はしていたけど、おおはずれ。

専門家も未来のことはよく分からないよね。

バズってる、、、~クリミア橋爆破関連ニュース~

毎日、チェックしているロシア国営放送のクリミアのローカル局

ユーチューブで、ほぼリアルタイムでみることができる。

いつもは一日経っても、数100~数千程度の視聴回数なのに、クリミア橋爆破のニュースを扱ったチャンネルは、23時間後ですでに19万以上の視聴回数を記録している。

ちょいバズり、って感じだ。

添付したのは2023年7月17日午後2時30分(現地時間)の放送。

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2024.10.8 サハリン・チェーホフ山でトレラン大会開催

自分のための備忘録のための投稿。

添付画像は、サハリンのローカル局の2023年7月4日の放送。

サハリンで初めて開催されたトレラン大会の様子を伝えていた(13:35~16:22)

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距離は13㎞、20㎞の2部門で、制限時間はそれぞれ3時間、4時間半。

参加者は全体で115人。

コース上には2か所のエイドがあり、マーシャルも配置するなど、きちんとした運営の大会みたいだ。

主催はサハリン州スキー競技・バイアスロンアルペン協会とのことで、いわゆるトレランを全面には押し出していないけど、関係者へのインタビューでは「トレイル」っていう用語も使っている。

 

この協会長がインタビューのなかで、チェーホフ山山頂への標高差1000m、距離20㎞の大会が2024年10月8日に開催される、と言っていた。

絶対、走ってみたいな~。

私はトレランもスカイランニングもする。

しかも、30年以上前にサハリンに何度か行ったことがある。

そのときはランニングなんて全然関心なかったけど、今は違う。

チェーホフ山」で検索すると、日本からの登山ツアーや現地のロシア人のユーチューブチャンネルなんかもヒットできた。

 

来年には戦争が終わって、なんの気兼ねなく、チェーホフ山を駆け上がることができたらいいな~。

ロストフ・ナ・ドヌーからの撤退~ローカル局の報道~

プーチンの怒りを買って、結局、尻すぼみに終わったプリゴージンの反乱。

ワグネルが軍管区司令部を占拠したロストフ・ナ・ドヌーの地元国営放送は、ワグネル部隊の撤退の様子を放映している。

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アナウンサーのニュース読みをそのまま訳してみると、以下の通りになる。

 

「前夜遅く、民間軍事会社『ワグネル』の隊列はロストフ・ナ・ドヌーから撤退し、自らの野営地に向かった、と、深夜12時ごろ、ロストフ州知事が発表しました。一昼夜、兵士たちは南部軍管区司令部ほかの施設に駐留していました。撤退のシーンは私たちの記者が撮影しました。市当局が住民に家からでないように、また、自分の目で目撃するために現場にくることのないように警告したにもかかわらず、住民たちが写っています。数十人の兵士たちが中央通りを進み、町の出口の方向に向かっています」

 

ローカル局とはいえ国営放送だから何の面白味もない報道になっているのは、ロシアも日本と同じ。

市民のいろいろなコメントは、ユーチューブほかネットにごろごろころがっている。

撤退するワグネルたちだが、ロストフの市民はたくさん市中に繰り出し、かなりの声援、激励を送っている映像もある。

まるでワグネルが英雄視されている。

 

それにしても、昨日からの経緯についての政治、軍事評論家の見解もさまざまで、結局、なんだったのかよくわからない。

ロシアのプロパガンディストたちの発言も迷走している。

政治分析に定評のあるロシア語系のユーチューブチャンネルも、米、英、ドイツほか西側(もはや、死語?)の新聞の見出しをネタに今回のプリゴージンの反乱の意味を把握する、といった具合だ。

ロシアVSウクライナの構図以外に、ロシア国内の政治情勢もますます混迷していくとこは確実みたい。

 

「クーデター」か、「反乱」か、「裏切り」か?

ランニングで疲れて昼寝した後、スマホでユーチューブを開くと、コンプラのチャンネルがプーチンの声明をライブで流していた。

ワグネルは裏切り者だ、なんて言ってる。

何が起こっているのかよく分からず、ネットサーフィンしてみると、ロストフ・ナ・ドヌーをプリゴージンたちが占拠した、なんて状況になっている。

ラジオ・リバティーのチャンネル(ロイターの転載か?)では、「V」、「Z」のマークのついた戦車が市内に進軍している様子がよくわかる。

ただ、戦闘は起こっておらず、兵士も縁石に静かに座っていて、たいした混乱はないようだ。

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これはいったいどういう状況なんだろうか?

ロシアの政治系ユーチューバーの投稿の見出しをつらつらながめてみると、「軍事クーデター」といった表現から、「反乱」、「暴動」といった表現まで、いろいろで現在進行中の状況を説明するのに適切な表現を模索している段階、ってとこだ。

 

プーチン自身は声明のなかで、今回の事態を「военный мятеж」と評価しているようだ。「軍事反乱」、「軍事暴動」、といった感じか。

 

мятеж って何って、チャットGPTに質問すると、次のような回答。

Мятеж - это собрание людей, выступающих против существующей власти или порядка, часто вооруженное и в результате заговора. Мятеж отличается от восстания тем, что не ставит целью коренное преобразование политической системы, а только смену правительства. Мятеж может быть стихийным или контрреволюционным. Методы мятежа могут быть ненасильственными или насильственными.

 

(訳)反乱とは、現体制・秩序に反対する人々の集まりです。反乱は蜂起とは異なり、政治体制の根本的な変革を目的としておらず、政府の交代だけを目的とするものです。反乱は自然発生的でもあり反革命的でもありえます。反乱の方法は暴力的なものも非暴力的なものもあります。

 

となる。

自分で訳したけど、これ、日本語への翻訳もチャットGPTでできるんだよね~。

でも、そうすると、自分自身の語学力は上がらずじまい、、、。

便利だけど、なんだかつまらない世の中になったな。

 

なんて、考えて、チャットGPTに、「この文章を日本語に訳してもらえますか?」と指令したら、次のような回答がきた。

 

もちろんです。以下はロシア語の文章の日本語訳です。

「Мятеж - это собрание людей, выступающих против существующей власти или порядка, часто вооруженное и в результате заговора. Мятеж отличается от восстания тем, что не ставит целью коренное преобразование политической системы, а только смену правительства. Мятеж может быть стихийным или контрреволюционным. Методы мятежа могут быть ненасильственными или насильственными」。

 

日本語訳ではなく、なんと、単にロシア語の文章がそのままでてきた。

自分の指令の仕方がよくなかったのかはわからないけど、チャットGPTに少しだけマウントできたので、ちょっとうれしかった。

 

ちなみに、添付した動画の見出しは、「『ワグネル』がロストフ・ナ・ドヌーを占領した」。

 

プリゴージンの武装勢力は、モスクワ南西のボロネジを占拠したらしい。その勢いでモスクワに侵攻するなんて予想している評論家もいる。

プーチンに「裏切り者」と言われたプリゴージンは、自分こそが愛国者だと反駁してる。

ここ数日はロシア情勢の転換点かもね。