日本では全国各地で「熊出没」の件数が増え、ニュースで流されない日はないほどだが、どこにでも当たり前に熊がいそうなロシアでも「熊出没」がニュースになっている。
ロシア最東端の街アナディル。
地元の放送局「ヴェスチ・チュコト」がヒグマの出没を伝え、住民に注意するよう呼び掛けている。
アナディルのウーゴリヌイ・コピ地区。
最初の動画は、地元の図書館の外部カメラが撮影したもの。
薄く雪の積もった敷地をゆっくりとヒグマが歩いている。
その後の動画はドライバーが車内から撮影したもの。車に追い立てられ、ガソリンスタンドのほうに逃げていくヒグマ。
どちらも同じ個体らしい。
これに関連して、人間を襲ったとの情報もとくに伝えていないから、人的・物的被害はなかったんだろうね。
ローカル局がニュースで扱うぐらいなんだから、ヒグマが人間の居住地に出没するのは、ロシアでもめずらしいことなんだろうか?
この原因について、放送の中では、次のような見方を伝えていた。
「Есть предположение,что из-за оттепели бурые медведи не смогут уйти в спячку,хотя зимний сон в берлоге приходится как раз на период с октября по апреля. Установившаяся достаточно теплая погода пока мешает мишкам заречь до весны」
(訳)
「巣穴での冬眠はちょうど10月から4月の期間になるわけですが、暖かい天気のため、ヒグマが冬眠に入ることができないと推測されています」
温暖化の影響で食料が不足しているのか、それともほかの原因があるのかは具体的には触れておらず、熊を見かけた場合には近寄らず、警察にすぐに通報するよう呼び掛けてニュースは終わっている。
ほんの数分間の短い街ネタニュース。
熊についた形容詞は「бурый 」。「赤茶色」とか「褐色」とかの意味。
これが付くと「ヒグマ」となる。
「белый медведь」で「シロクマ」「ホッキョクグマ」、「бурый медведь」で「ヒグマ」。
ツキノワグマは「белогрудый(гималайский) медведь 」、ジャイアントパンダは「бамбуковый медведь」だ。
あともうひとつ気になった単語は、「оттепель 」。
フルシチョフ時代の「雪解け」の用語だから、てっきり初春だけに使われるのかと思っていた。
初春だけでなく、雪が解けるような冬の暖かい天気のときにも使っていいみたいだから、「小春日和」の訳語になるときもあるかもね。