ロシア軍のウクライナ侵攻後、Youtubeの自分の登録チャンネルにはウクライナのチャンネルが増えた。
当然、放送の言語はウクライナ語。
アナウンサーやレポーターの言っていることは、なんとなくこんなことを言っているのかな、っていう程度でしかわからない。
じゃあ、ロシア語ネイティブはどのくらいわかるんだろう?って疑問があったが、よく見ているYoutubeのロシア語講座チャンネルで、そのあたりの事情がとてもよく分かる動画をみつけた。
「Anna Cher:Russian from the Heart」というチャンネル。
Are Ukrainian and Russian the same thing? - YouTube
ニューヨークから発信しているロシア語の先生。英語をベースに授業をしていてとてもわかりやすい。
最近、視聴者から一番多い質問がロシア語とウクライナ語がどれくらい似ているのか、だったらしい。
リスニングの練習がてら聞き取ってみた。
質疑応答形式で簡訳してみると、
Q:ウクライナ語はロシア語から発生したのですか?
A:ウクライナ語はロシア語の方言ではありません。
ロシア語もウクライナ語も14世紀ごろの古代ロシア語が起源です。現在のロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人の東スラブ人が話していました。
その後、歴史的、政治的な理由で古代ロシア語は分離しました。
Q:ウクライナ語とロシア語は同系の言語ですか?
ただ、多くの共通点と少なからぬ相違点があります。
共通語彙についてはウクライナ語とベラルーシ語は84%、ウクライナ語とポーランド語は70%、ウクライナ語とロシア語は62%です。
Q:ウクライナ語とロシア語の共通点と相違点は何ですか?
A:共通点はキリル文字。でも、ロシア語にはあるがウクライナ語にはない文字もあり、また逆もあります。
文法は似ていてどちらも格があります。
ロシア語には6、ウクライナ語は7。ウクライナ語には呼格というのがあります。
ただ、Боже,Господи,отчеなど、ロシア語にも宗教用語で残っているものもあります。
プーシキンの童話の「Чего тебе надобно,стаче?」のстачеも呼格です。
(「Что тебе нужно,старик?」が現代ロシア語)
Q:ウクライナではみんなロシア語を話すんですか?
しかし、多くの人がロシア語を話しますが、、西部ほどウクライナ語の比率が高く、中部、東部に行くほどロシア語の比率が高くなります。
ロシア語を話せないし、理解できない住民は約4パーセントにすぎず、いわばバイリンガル国家です。
Q:ロシア語をしゃべればウクライナ人は理解してくれますか?
A:私はウクライナ語のビデオをみたり、ウクライナの歌を聴いたりしても、60%は分かるけど残りの40%はわかりません。やはり勉強しないとだめです。
(以上、簡訳終)
なるほど、ロシア語ネイティブでもウクライナで生活していないと40%はわからないんだから、ロシア語ネイティブじゃない自分がほとんどわからないのも無理はないって納得した。
アンナ先生の説明のなかで面白かったのが、Суржикっていう単語。
Такое сочетание называется суржиком.
Суржик - это смесь украинского и русского языков.
ウクライナ語のなかにロシア語を混ぜて話したりすることをいうらしい。
元々の原意は、穀物を混ぜることらしく、例えば、小麦とライ麦、蕎麦と大麦とかを混ぜることみたい。