1.はじめに
聴取試験の時間は約25分です。
2分程度のロシア語音声を3回聴いた後、15分で聞き取った内容を日本語で書きます。
学習到達度判定基準は、「ネイティブスピーカーによる一般的なテーマの話が分かり、専門的な話も事前の準備があれば理解できる」、といったものです。
2.傾向
各年度のテーマ、時間、語数は以下の通りです。
第60回 「若い夫婦の経済的問題」(2分07秒、163語)
第62回 「生きた惑星、地球」(2分07秒、158語)
第64回 「エルミタージュ」(2分14秒、190語)
第66回 「シベリアの魅力」(2分44秒、211語)
第68回 「良い教師とは」(1分42秒、147語)
第70回 「地球という宇宙船」(1分58秒、141語)
第72回 「民衆の記憶、年代記」(2分14秒、163語)
第74回 「文化的人間とは」(2分03秒、145語)
第76回 「交流の変容」(2分32秒、170語)
第78回 「電力の重要性」 (2分42秒、174語)
第80回 「海のコミュニケーション」 (2分40秒、156語)
第82回 「人生の選択」 (2分05秒、152語)
時間は1分42秒から2分44秒、語数は141語から211語です。
テーマはさまざまで、文体はエッセー的なものです。時事やニュース、専門的・学術的な文章ではありません。
準備されたテキストを朗読者が読んで、それを聴き取るという形式です。どの回も女性の朗読者で、読むスピードはそれほど速くありません。
ТРКИのように映画のシーンのヒアリングではありません。ロシアの学校でいう「ディクタント」(書き取り、ディクテーション)みたいなものです。ただ、一語一語書きとるのではなく、全文を3回読んだ後、日本語で内容をできるだけ詳しく書かなければいけません。
第82回のCDをパソコンに入れるとき、間違って2級のCDを入れたのですが、聞いてみるとかなり簡単でした。
時間や語数は同じですが、語彙力の点で1級と2級の難易度にはけっこうな差があるみたいです。
3.対策
ヒアリング対策として私は毎日ポドキャストでロシアの番組を聞いていました。
散歩したり、ジョギングしたり、いろんな隙間時間にイヤホンをつけて楽しみながら勉強していました。
このほかユーチューブでロシアの映画や音楽番組、ニュースをみたり、現代ではネットで自分の回りをロシアにいるような環境にできるので、耳を慣らすことも簡単です。
しかし、聴き流しているだけだと試験対策にはなりません。
露検の「聴取」の試験は聴き取って、その内容をできるだけ詳しく日本語で書かないといけないのです。いろんな音源でも集中して聴いてみると、けっこうスルーしている単語や文章があります。
だから、実際に「聴取」の形式で学習しておく必要があります。
それに最適なテキストがあります。
→改訂版 耳が喜ぶロシア語 リスニング体得トレーニング|三修社 (sanshusha.co.jp)
これを実際の試験形式で実践しておけば十分だと思います。
私は1回目で簡単なメモをとって、2回目、3回目でだんだん補足していくという方法でした。メモは日本語、または、ロシア語です。私は単語によって、メモしやすいほうを選んでいました。
聴き終わってからの清書はメモを見ながら書くので、できるだけ自分で判別しやすい文字、記号でメモっておく練習も必要かと思います。
あと、実際の試験会場での注意点があります。
東京のような大会場(?)は知りませんが、音源は小さなラジカセです。正直言って、聴き取りにくいです。
会場外の騒音があったすると最悪です。
できるだけ、音源のある場所に陣取ることをお勧めします。始まってしまったら座席の移動は不可能ですから。