mir821’s diary~露語&ランニング〜

25年ぶりにロシア語を再勉強中。たまにモンゴル語&ランニング。

まさかの大統領当選~国民の僕第1シーズン第1、2話②~

「国民の僕」はYoutubeの「第95街区」のチャンネルで全編公開されている。

ロシア軍のウクライナ侵攻後は、動画の背景画面はウクライナ国旗の色となり、戦争反対のメッセージが書き込まれている。

ほんとうに早く戦争が終わってほしい。

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さて、第1シーズン第1、2話の続き。前置き、主題歌が終わり、いよいよ3:25から本題へ。

Youtubeの字幕は英語、ポーランド語、ロシア語(自動生成)。ロシア語は自動生成だから完全じゃない。

3:25 古い集合住宅が密集するキーウの中心部。建物の壁の塗装は剥げて色あせ、亀裂も入っている。

 

朝、仕事のタクシーを洗車するため、初老の男性(主人公の父親、ピョートル)が中庭にでると、高級車が荒っぽい運転で乗り付ける。

ドアを開けてでてきたのはサングラスをかけたいかにもヤンチャなガラの悪い若者。

ピョートルずっとこの若者に一言文句を言いたかったらしい。

 

ピョートルが「ずっと尋ねたかったかったんだが、いったいあんたに誰が駐車のしかたを教えたんだ?」と文句をいうもののの、ヤンチャな風貌の若者は、逆に、「オレもあんたにずっと言いたかったんだ、『うせろ、ジジイ!』ってな」と言い返してきた。

そこへ住宅管理組合長らしき白髪頭の男性が現れ、ピョートルは不満をぶつけるが、「あの若者の父親が誰なのか知っているんですか?」などとお偉いさんのドラ息子にはなすすべがないって感じで埒があかない。

 

4:34 中庭の喧騒が聞こえる集合住宅の部屋。

外からの風がそよぐベッドの上で、昨夜読みながら寝込んだんだろうか、プルタルコスの本を顔にのせて朝寝をむさぼっているのが「国民の僕」の主人公ヴァシリー・ペトロビッチ・ゴロボロジコある。

30代の歴史教師という設定だ。

眠そうな顔で目覚まし時計をみてびっくりして飛び起きる。

 

5:14 「パパ、6時半に起こしてって、昨日頼んだじゃないか!」って、30代にもなって父親に起こしてもらうタイプの甘ちゃんである。

 

この部屋に住んでいるのはゴロボロドコ、両親のほか女子大生の姪(ナターシャ)の4人(姪の母親でゴロボロドコの姉はあとで登場する)。

朝はトイレの取り合いから始まる。

5:43「急いでいるんだ!おじさんに場所を譲れよ!」って先にトイレに入った姪っ子にどなる30代の歴史教師は、しわくちゃのワイシャツを出勤で忙しい母親や姪にアイロンがけを頼んだりもする自立できないダメ人間でもある。

 

7:56 母親にも先を越され、やっとのことで入ったトイレ。けっこう広い。便座に座ってゴロボロドコが読んでいるのは「UA TIME」という雑誌だ。

表紙の写真は首相。見出しは「国には改革が必要だ」とある。

そこへ外から父親の声がする。

父:「ワーシャ?」小さな声で呼びかける父。

ゴ:「なにっ!!」。怒るゴロボロドコ。

父:「出ておいで!」さらにお願いする父。

ゴ:「パパ! ぼくに10分、静かに集中する時間をくれよ!」キレるゴロボロドコ。

父:「出ておいで! おまえにお客さんだよ」と説明する父。

ゴ:「パパ、そんな8年生みたいな冗談は通じないよ!」と信じない。

母:「パパは冗談言っていないのよ。お願いだから出ておいで!」と今度は母親も説得に加わる。

ゴ:「パパ! ママも取り込んだの! だったら、ナターシャも呼べば!」とまるで相手にしないゴロボロドコ。

ナターシャ:「私もここ」といったところで、やっとゴロボロドコがでてくる。

ゴ:「で、なに、パパ?」

 

8:30 みんなの視線の先、玄関口には背広姿の男性が数人経っている。

中央にいるのは「UA TIME」の表紙の人物。ウクライナ首相である。SPを従えている。

あっけにとられた表情のゴロボロドコが「こんにちは」とあいさつすると、首相が答えた。

「こんにちは!ワシリー・ペトロービッチ・ゴロボロドコ。おはようございます!大統領閣下!」

 

10:00 大統領府へ向かう車列。車内には首相と並んでゴロボロドコが後部座座席に座っている。

テレビからはウクライナ語で大統領選挙でゴロボロドコ候補が約67%を獲得したとかのニュースが流れ、オバマ、習、メルケルなんかがコメントする映像もみられる。

いまだ状況を掴めず、当選を信じられない様子のゴロボロドコ。

ゴ:「事前の世論調査では10位以内にも入っていなかったですよ」

首相:「おそらく国民の意思がかわったんでしょうな」

なんて会話が交わされていた。