日本のことが取り上げられているシーンがあった。
といっても昔の日本のこと。「芸者」とか「桜」とか「天皇」とか、いかにも日本をイメージさせる言葉がでてくる寓話としてだけどね。
貧しい農民が直訴したら訴えは認められたが罰として舌を抜かれたなんて話。そういった史実あったのかな~って、日本人からは思われそうな感じだ。
直訴の相手も直訳すれば「天皇」となるけど、内容的には「将軍」としないと違和感がさらに増す。でも、「芸者」の部分と同じく、そのままにしておいた。
18:17 ゴロボロジコが教室に入ると、生徒たちがつかみ合いの喧嘩をしている。
生徒を鎮め、理由を質すと、生徒の一人がSNSに投稿した例の動画が発端だという。
動画を投稿した生徒を、ほかの生徒たちが非難していたのだった。
SNSでバズった動画のタイトルは「 Историк жжёт!」。
直訳すると、「歴史教師、燃やす!」ってなる。若者言葉なんだろうけど、よくわからない。英語の字幕をみてみると、「The teacher of historiy goes mad!」ってなってた。
「歴史教師、逆上!」とか「歴史教師、キレる!」とかほうがピッタリするかもね。
ゴロボロジコが激しい言葉で政治批判をした理由を生徒たちに寓話で釈明するカットが次の部分。
19:24 ゴロボロジコ「このことで君たちにある寓話を話そう。
昔、日本の天皇の宮殿に貧しい農民がやってきた。
『陛下! 私どもの領地では税金があまりに高く、人々は食べるものがありません。私には失うものはございませんので、ここに真実をお話いたします』と農民は言った。
そう言うと、農民は天皇、天皇家、その他あらゆる権力に向けて、罵詈雑言を浴びせかけた。
警護の武士たちは紅潮し、芸者たちは卒倒した。門に咲いていた桜は枯れ、以後、実をつけることもなかった。
天皇は農民の話を黙って静かに聞き終えると、2つの勅令をだした。
一つは罵詈雑言の故に農民の舌を抜くこと。これは罪だからね。
二つめは領地の税金を下げること。これは真実だったからね。
どんなに不快であろうと、真実は真実ってことなんだ」
日本に関わる寓話で自分の行為を例えた後、ゴロボロジコはさらに付け加える。
「でも、絶対に自分を正当化はしないけど、、、。自分にとっては、まあ、あんなふうに行動する必要があったのかもしれないけどね、、、」なんて、動画のときはちょっとやりすぎたって自省するが、生徒たちの予期せぬ反応に驚く。
20:45 生徒たちは口々に家族がゴロボロジコの動画をみて賛成していて、きたる大統領選ではゴロボロジコに投票するってことを明かす。
「親御さんたちは動画をみたのか? なんてことだ! まあ、真実に賛成してくれたのはうれしいけど」と授業を始めようとするところに、教室のドアが開く。
「ゴロボロジコ先生、校長がすぐにお呼びですよ!」と同僚の先生。
ゴロボロジコは「今度は僕の舌が抜かれるのかな~」なんてぼやきながら教室をでていく。
(追記)昔の日本に直訴で舌抜の刑ってあったのかなってちょっとだけ調べた。
義民伝説で直訴は死刑ってイメージがあるが、近世では直訴そのものが刑に問われることは実は少なかったそうだ。舌抜の刑ってのも史実とは言えないかもね。