ロシアのウクライナ侵攻以降、たくさんのYoutubeチャンネルを登録した。
なかでもインパクトがあるのは、ウクライナの作家、TVジャーナリスト、政治家のドミトリー・ゴルドンさんのチャンネル。
例えば、
Гордон: Совбез России – стадо баранов! Говна им на лопате, с…ки! - YouTube
スキンヘッドの端正な顔つきから発せられる激しい言葉は、反プーチン、反戦争の姿勢に貫かれ、まさにレジスタンスの真骨頂を体現している。
語る言葉はロシア語。
ウクライナ語やベラルーシ語のインタビュアーにもロシア語で答えている。
毎日、Youtubeだけでなくインスタグラムやフェイスブックにもゴルドンさんのチャンネルがあるので、彼の投稿やコメントを見ない日はない。
ロシア語を学ぶ外国人がけっこう興味を持っているが、教科書とかで学びにくいのが俗語。
放送禁止用語みたいなものは、親しいロシア人がいないと実際にどんな風に使用されているのか理解するのは難しい。
SNSで拡散されるウクライナ侵攻の映像には、よく「ピー」って音が単語にかぶせられているものがあって、いろいろと想像を掻き立てられるが、具体的な単語が何なのかわからないものも多い。
そんななか、けっこう普通にゴルドンさんは(きっとトーンを落としてだろうけど)きつい言葉をうたくさん使って話している。
MAT(卑猥な罵り言葉)まではいかないネットで許される範囲の言葉だろうけど、ロシア語独学者には極めてためになる投稿が多い。
↑に添付した2022/4/6付の投稿の見出し。
Гордон:Совбез России-стадо баранов! Говна им на лопате,с...ки.
パッと見てговноはмолокоみたいに格語尾変化するんだとちょっと驚き。
プログレッシブ・ロシア語辞典にも[中1]とある。
なるほどなーって思い、ネットでも調べてみると、こちらは表付き。
表記は「говна」で同じでも、アクセントが「а」にあると単数生格、「о」にあると複数主格&生格になるみたいだ
ゴルドンさんの声は、「а」にアクセントがある。ということは単数生格。
見出しは、訳せば「ゴルドン:ロシア安全保障会議は烏合の衆!畜生どもに鋤で糞を放て」って感じだろうか?
ロシア語の激烈さを日本語にうまく訳せないのがもどかしい。
Wiktionaryによると、「говно」は古代スラブ語由来の単語で、スラブ語族には発音、アクセントがちょっと違うくらいで現代でもしっかりと存在しているみたいだ。
伏せ字のс...киはсуки。
単数形はсука(bitch)で直訳は「雌犬、(オオカミとかの)メス」だけど、こういった文脈では伏せ字にしないといけないのだろうか?