mir821’s diary~露語学習帳〜

ロシア語を再勉強中。たまにランニング。

犬の心臓・第8章~単語帳&メモ

第8章は29:42あたりから。

youtu.be

(p.96)

・решаться/решиться  ①(на+対格/不定形)(熟慮、ためらいの末に)決心する、決意する、思い切って~する:Она не решилась покинуть дом. 彼女は家を捨てる決心がつかなかった。

 

(p.97)

・ухитряться/ухитриться

・считаться/счесться, сосчитаться  c+造格 ~とけりをつける、貸し借りを清算する

 

(p.98)

・нахальничать

 ・нахальство (話)図々しさ、厚かましさ、恥知らず

・благоволить/соблаговолить   ①~に好意を示す ②(旧)(敬語にもちいる)(目上の人が)~なさる、~してくださる:Благоволите ответить. ご返事を下さいますように。

・вЫходка (蔑)非常識な行動、悪ふざけ

・харчевАться (若者)食う

 ・харчи (複)(単 харч -А)(単複同義)(俗)食い物、食料、食事

・эскулАп ①(Э-)(ロ神話)アイスクラーピウス(医術の神、ギリシア神話のАсклепийに相当) ②(皮肉に、おどけて)医者

 

(p.99)

・отлучка

・пороть/распороть  ②(口)かぎ裂きにする (俗)刃物などので傷を負わせる

・задеваться (完)(俗)姿を隠す、なくなる

 

(p.100)

・шататься/шатнуться  揺れる、ぐらつく、よろめく、揺らぐ:Он шел, шатаясь от усталости. 彼は疲れてふらふらしながら歩いていた。

・удаляться/удалиться  ①遠ざかる、離れる:~ от дома 家から離れる ~ от темы 本題から逸れる ②去る、退く:~ к себе в комнату 自室に引っ込む

・ключИца (解)鎖骨

 

【メモ】

Зина немедленно заревела, распустив губы, и ладонь запрыгала у неё на ключице.

水野訳:ジーナはわっと泣き出し、鎖骨のあたりで手を小刻みに震わせた(p.163)

増本訳:ジーナは口を開けてわんわん泣き出した。彼女の手が鎖骨のあたりでぶるぶる震えた(p.174)

石井訳:ジーナは口を開けて大声で泣き出した。カーディガンを握りしめた手が鎖骨の上で小刻みに震えている(p.143)

 

(p.101)

・бОдроствовать ①(文)寝ずに起きている、休まず活動している ②(旧)(над造)見張る

・взвИнченный ②興奮した、いらいらした

・приютить (完)庇護する、安らげるようにする

・растрокать 深く感動させる

 

(p.102)

・соблазнЯть/собблазнИть  ①(造で)誘惑する、魅惑する:~ хорошим заработком  よい給料で釣る ②(不定形(完))~する気にさせる

 

 

【メモ】

Если вы не хотите меня не обидеть, не говорите мне больше таким образом.

水野訳:先生がわたしを怒らなくなってしまったら、もしこのさき、これまでのようにがみがみどなったりしなくなられたら...(p.165)

増本訳:そんなことをおっしゃるなんて、私は悲しいですよ(p.177)

石井訳:そんな話は二度としないでください。そうでないと私は怒りますよ(p.145)

 

Copilotの採点は厳しい。模範解答も示してくれた。

 

これはまたしても 「三者三様にまったく違う意味を作ってしまった」 典型的な箇所ですね。
結論から言うと 三つの訳のうち、原文に最も近いものは実は一つもありません。
ただし、水野訳が「方向として最も近い」 と言えます。

なぜそうなるのか、原文の意味をまず正確に押さえましょう。

🔍 原文の意味(逐語+語気)

Если вы не хотите меня не обидеть, не говорите мне больше таким образом.

これは一見すると二重否定で混乱しますが、ロシア語ではよくある構造で、

✔ 正しい意味

「もし私を傷つけたくないなら、もうそんな言い方はしないでください。」

つまり:

  • обидеть=「侮辱する/傷つける」
  • не хотите меня не обидеть=「私を傷つけたくないなら」
  • не говорите мне больше таким образом=「もうそんなふうに言わないでください」

語気としては やや怒り+傷つき+丁寧な抗議

🧭 各訳の評価

🟦 水野訳

先生がわたしを怒らなくなってしまったら、もしこのさき、これまでのようにがみがみどなったりしなくなられたら…

これは 完全に意味が違う

  • 原文の「侮辱しないでほしい」が
    → 「怒鳴らなくなると困る」という意味に変わってしまっている。

方向が逆転しているため不正確。

🟦 増本訳

そんなことをおっしゃるなんて、私は悲しいですよ

これは 情緒的には近いが、意味が大幅に省略されている

  • 「そんな言い方はしないでください」という禁止が消えている。
  • 「傷つけたくないなら」という条件文も消えている。

意訳としては自然だが、原文の構造を再現していない。

🟦 石井訳

そんな話は二度としないでください。そうでないと私は怒りますよ

これは 意味の方向は最も近い

  • 「そんなふうに言わないでください」→ 近い
  • ただし「怒りますよ」は原文にない追加。
  • 原文の「もし傷つけたくないなら」という条件が消えている。

意図は近いが、語気が強すぎる。

🏆 最終評価(正確さの観点)

訳者 評価 理由
石井 ⭐⭐⭐☆☆(最も意味が近い) 「そんなふうに言わないでください」を再現。ただし語気が強すぎる
増本 ⭐⭐☆☆☆ 情緒は近いが、原文の構造を省略しすぎ
水野 ⭐☆☆☆☆ 原文の意味と逆方向に解釈してしまっている

✨ 結論

最も原文の意味に近いのは石井訳。
ただし、語気が強すぎるため、完全に正しいとは言えません。

🌿 私ならこう訳す(原文の構造を保った自然な日本語)

もし私を傷つけたくないのなら、もうそんな言い方はしないでください。

これが原文の意味・語気・構造を最も忠実に再現します。

 

(p.103)

・пакостный  (話)①不快な、いやらしい ②嫌がらせをする、不快な

・протоиерей (正教)長司祭

 

【メモ】

ー Филипп Филиппович, вы ー величина мирового значения, и из-за какого-то, извините за выражение, сукиного сына...  Да разве они могут вас тронуть, помилуйте?

水野訳:フィリップ・フィリッポビッチ、先生は世界じゅうに名のとおった学者です。こういっては悪いですけど、あんな豚どもに、、、そう、あいつらは先生に指一本触れることだってできるものですか?(p.168)

増本訳:フィリップ・フィリッパヴィチ、先生は世界中にその名をとどろかせている医学者です。その先生をあんな、、、こんな言い方をしてすみませんが、、、犬畜生のせいで、、、あいつらには先生に何もできませんよ、絶対に!(p.178)

石井訳:フィリップ・フィリッポビッチ、あなたは世界的な名声をもつ大学者です。先生の御尊父が当局に望ましくな職業についていたからといって、つまり当局の物差しで先生がろくでなしー失礼ーの息子だからといって、彼らはあなたに指一本ふれられませんよ、、、。いや、絶対になにもできないでしょう(p.146)

 

Copilotに採点してもらった。

これはまさにあなたが得意とする **「訳文のニュアンスを一刀両断する」**タイプの質問ですね。
今回の箇所は短いですが、訳者の力量が非常に露骨に出る難所です。

🎯 結論:最も原文に忠実で正確なのは増本訳

理由を丁寧に分解します。

🔍 原文の核心

и из-за какого-то, извините за выражение, сукиного сына...
Да разве они могут вас тронуть, помилуйте?

ここで重要なのは3点:

  1. сукиного сына

    • 直訳:「雌犬の息子」→「ろくでなし」「クソ野郎」
    • 強い罵倒語。
    • しかしここでは「誰か特定の人物」ではなく、**「くだらない奴一人のために」**というニュアンス。
  2. какого-то

    • 「どこの馬の骨とも知れない」「取るに足らない」
    • 罵倒語を弱めるのではなく、軽蔑の方向に意味を追加している。
  3. Да разве они могут вас тронуть, помилуйте?

    • 「彼らがあなたに触れられるはずがないでしょう、どうかご勘弁を」
    • 強い否定+丁寧な懇願の語気
    • ここはボルメントリの「必死の慰め」が出る。

🧭 各訳の評価

🟦 水野訳

あんな豚どもに…あいつらは先生に指一本触れることだってできるものですか?

  • сукиного сына → 豚ども は不正確。
    сукин сын は「豚」ではないし、複数でもない。
  • 罵倒の方向性がズレている(動物比喩が変わってしまう)。
  • ただし後半の「指一本触れることだってできるものですか?」は悪くない。

ニュアンスのズレが大きい。

🟦 増本訳(最も正確)

犬畜生のせいで…あいつらには先生に何もできませんよ、絶対に!

  • сукиного сына → 犬畜生
    日本語での罵倒語として最も近い。
    「犬畜生」は古風で強い侮蔑語で、時代感も合う。
  • 「こんな言い方をしてすみませんが」= извините за выражение の再現も自然。
  • 後半の「絶対に!」はロシア語の強い否定の語気をよく再現。

原文の意味・語気・時代感の三拍子が揃っている。

🟦 石井訳

当局の物差しで先生がろくでなしー失礼ーの息子だからといって…

  • これは完全に 誤読
  • сукиного сына を 「先生の父親」 に結びつけてしまっている。
    → 原文にはそんな意味は一切ない。
  • さらに「汚物にまみれた」など、原文にない描写を付け足す傾向が強い。

意味の取り違えが決定的。

🏆 最終評価

訳者 評価 理由
増本 ⭐⭐⭐⭐⭐(最も正確) 語義・語気・文体が原文に最も近い
水野 ⭐⭐☆☆☆ 罵倒語の方向性がズレる
石井 ⭐☆☆☆☆ 原文の意味を誤読している

✨ まとめ

正しいのは増本訳。
特に сукиного сына の扱いが決定的に優れており、
ボルメントリの「怒り+慰め+焦り」の混ざった語気を最も自然に再現しています。

 

【メモ】

Я - московский студент, а не Шариков! - Филипп Флиппович горделиво поднял плечи и сделался похож на французского древнего короля.

水野訳:ぼくはいやしくもモスクワの学者だ、シャリコフではないのだ(p.169)

増本訳:私はいやしくもモスクワ大学の出身で、コロフとは違うんだぞ(p.179)

石井訳:私はモスクワで教育を受けた人間です。どこの馬の骨かわからないシャリコフじゃないのです(p.147)

 

ここもCopilotに採点してもらった。

今回の三つの訳は、前回以上に「訳者の解釈の差」がはっきり出る箇所ですね。
結論から言うと 最も原文に忠実で正確なのは水野訳 です。

以下、理由を丁寧に整理します。

🔍 原文の核心

Я — московский студент, а не Шариков!
(直訳:私はモスクワの学生であって、シャリコフではない!)

ここで重要なのは:

1. студент

  • これは「大学生」ではなく、ロシア語では 「大学教育を受けた人間」=インテリの自己定義 として使われることがある。
  • 特に1920年代の文脈では、「教養ある人間」 のニュアンスが強い。

2. московский

  • 「モスクワの」=「地方出身の無教養な者ではない」という階級的ニュアンス。

3. 対比:не Шариков

  • 「私は教養ある人間であって、あんな下品な成り上がりではない」という強い対比。

🧭 各訳の評価

🟦 水野訳(最も正確)

ぼくはいやしくもモスクワの学者だ、シャリコフではないのだ

  • студент → 学者 は一見ズレているようで、実は文脈的に非常に正確。
    → プロフェッサー・プレオブラジェンスキーが言う「студент」は
    「大学教育を受けた教養人」 を意味するから。
  • 「いやしくも」も階級的誇りをよく再現。
  • 「シャリコフではないのだ」も原文の対比をそのまま保持。

語義・文体・階級ニュアンスの再現度が最も高い。

🟦 増本訳

私はいやしくもモスクワ大学の出身で、コロフとは違うんだぞ

  • モスクワ大学の出身 → 原文にはない。
    → 「московский студент」は「モスクワ大学卒」ではなく「モスクワの教養人」。
  • 「コロフ」表記は誤り(シャリコフのことだが、語感が変わる)。
  • 「違うんだぞ」はやや幼い語気。

意訳としては読めるが、原文の意味を拡大しすぎ。

🟦 石井訳

私はモスクワで教育を受けた人間です。どこの馬の骨かわからないシャリコフじゃないのです

  • 「モスクワで教育を受けた人間」=意味としては近いが、やや説明的。
  • 「どこの馬の骨かわからない」は原文にないニュアンスの追加。
  • 石井訳は全体的に「説明を足しすぎる」傾向がある。

悪くはないが、原文の簡潔さと誇りの語気が弱まる。

🏆 最終評価

訳者 評価 理由
水野 ⭐⭐⭐⭐⭐(最も正確) 「студент」の階級的意味を最も正しく再現
増本 ⭐⭐☆☆☆ 「モスクワ大学出身」は原文にない情報
石井 ⭐⭐☆☆☆ 説明的でニュアンスの追加が多い

✨ まとめ

正しいのは水野訳。
特に「студент」を「学者」と訳した点は、
1920年代ロシア語の社会語彙を理解していないと出てこない、非常に鋭い訳です。

 

(p.104)

・срамить/осрамить   辱める:~ себе своим поведением 自分の行動で恥をかく

・нарываться/нарваться  (話)不意にでくわす、(不快な事物に)でくわす

 

(p.105)

・Ощупью ①手探りで ②あてずっぽうに

・форсировать ①強化する、促進する、加速する ②(軍)(川、隘路などを)強行突破する

・порОчить/опорОчить 辱める、けなす

 

(p.106)

・бесноваться ①(話)ひどくいらいらする 怒る、 ②興奮する

・почивать -Аю, -Аешь(旧文)-чИю, _чИешь ①おやすみになる ②(墓の中で)眠る

 ・почивший (雅)故人

・прохвост  (話)ろくでなし

・мышьЯк (化・薬)ヒ素

・евгеника  優生学

 

(p.107)

・тУхнуть/потУхнуть  ①(火が)消える、(眼差しが)ぼーっとなる、気力がぬける ②(不完)悪くなる、腐る

・обмякать/обмякнуть  (話)①柔らかくなる ②ぐったりする、力が抜ける、力が衰える ③(気持ちが)和らぐ 弱る、衰える

・протЯжно ゆっくりと、(楽)レント

 

(p.108)

・паршивый ①疥癬にかかった ②(俗)悪い、汚らしい、ろくでもない

・слышаться/послышаться  ①音がする、聞こえる ②感じられる、現れる

・уголовщина (話)刑事犯罪

・отпрЯнуть ぱっと飛びのく

・застывать/застыть, застынуть  ①冷えて固まる、凝固する

・волОчь

 

(p.109)

・лохматить/вз-, рас-  (話)(頭髪などを)くしゃくしゃにする、もじゃもじゃにする